アンダー・ユア・ベッド 【ネタバレ含みます】

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今回は少し前に上映された「アンダー・ユア・ベッド」を観たので感想を書いてみます。本作のジャンルはホラー・サスペンスであり、R-18指定された作品ですね。直訳すると、「貴方のベッドの下」ですかね?パッケージ的にも、主役の高良健吾君がベッドの下にスタンバイ完了してる様子ですし、ベッドの下でどんなホラー・サスペンスストーリーが繰り広げられるか、本作品の小説を読んだことのない私は興味津々でした。

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あらすじ

人と接することが苦手な三井直人(高良健吾)は無気力な日々を送っていましたが、ある日突然、学生時代に出会った佐々木千尋(西川可奈子)のことを思い出すところからスタートします。昔の彼女のこと、思い出すことはありますよね。懐かしい記憶に思いを寄せる…それだけだったら全然オッケーなんです。しかし、彼は違いました。

三井君の学生時代

三井君は学生時代、イケメンなのに陰キャ生活を爆走しており、卒業アルバム撮影時に三井君の不在に誰も気付かないって程のキャラ設定みたいです。「いやいや担任!気付いてやれよ!」と普通にツッコミ入れたくなりますが、設定上、それは許されないんですよ!虐めにあっている訳ではなくて、みんながみんな、無関心なんですよ…三井君に!三井君、普通にイケメンなのに!

大学進学後も相変わらずの陰キャ生活をおくっていたところ、講義中に教授から「これを翻訳しろ」的なことを言われて三井君はテンパってました。設定上、三井君はみんなに無視されているのに、教授は三井君を無視しなかったんですね。三井君は突然の無茶ぶりに陰キャ感丸出しで答えることができません…どうする三井君!絶体絶命!そんな状況の中、後席の佐々木さんが声をかけてきます。「三井君…!」って。しかも結構かわいい系の女子に!これまで自分の名前を呼んでもらったことさえない三井君は、一瞬で恋に落ちちゃったみたいで、その日に「お茶でもどうっすか?」的なことを言ってました。普通に積極的ですよね…しかも、佐々木さんも「いいよ♡」的な感じでオッケーしてくれるんですよ。「♡」が付いていたかは不明ですけど、あれは「♡」付です、多分!うまくお茶会に誘えた三井君ですが、会話のネタがほぼない!ほぼないけど、得意のグッピーネタで引出しから取り出し、頑張って話します。(せっかく可愛い子とデート、必死にネタを探して話す気持ち、わかります!)

   

三井君、30歳くらいになる

学生時代、一回だけお茶会に行った佐々木さん!雨の日の無人のエレベーターの中、誰かの香水の香りが残っており、三井君は佐々木さんのことを思い出します。香水で思い出す…なんか聴いたことがあるような…!「君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」って、ドルチェ&ガッバーナかどうかは知りませんが、三井君は思い出しちゃったんですよ、その香水のせいで!!その香水のせいで始まるんですよ、ドラマチックな展開が!佐々木さんのことを忘れることができない三井君は、興信所に調査を依頼しちゃいます!数日で佐々木さんは発見されますが、佐々木さんは結婚し、1児の母となっていることが判明しちゃいました。三井君の恋は散ったように思えたところですが、違いました。ここからが本当の始まりでした。久々に遭遇した佐々木さんは以前と比べてげっそりした様子…三井君は気になっちゃいます。だって好きだから。好きだから彼女の近所に引っ越し、好きだから動向を観察し始めた三井君、ストーカーの血が覚醒しました。そして、様々な手段で佐々木さんの生活を監視することで、彼女の置かれている悲惨な日常を知ってしまいます。 佐々木さんは、旦那から酷い暴力・凌辱を受けており、このシーンは本当にリアルな描写で見ていて辛くなりましたね…

 (←普通にイケメンの三井君、こっそりストーキング)

三井君、とうとうベッド下へ引っ越す

ついにきました!引っ越しです。大好きな佐々木さんの悲惨な日常、遠くから見ているだけでは居ても立っても居られなくなった三井君、ベッド下への引っ越しを決断します。紙おむつを着用、合鍵もしっかり準備してるんで、スムーズに佐々木さん宅への出入りは可能です。ベッド下なんて、バレるよ…絶対バレるからもっと慎重に動こうよ…って思うところですが、映画だしバレませんでした。

旦那の暴力・凌辱行為は酷さを増す一方で、佐々木さんも一度は脱出・避難しましたが、狂気の旦那に速攻で捕まってしまいます。この旦那のドメスティックバイオレンス、マジでリアリティありすぎて怖くなりました。

佐々木さんは旦那を包丁で刺し殺そうとしますが、一瞬で包丁は旦那に奪われ、逆に旦那に刺されそうになります。その危機を救ったのは…三井君、そりゃ三井君しかいないですよね!三井君は佐々木さんを守るため、旦那を殺してしまいます。ラストは交番に自首する三井君に、佐々木さんが「三井君!」って声をかけるシーンでした。一度だけお茶をした関係性ではあるけど、佐々木さんが三井君を思い出してくれた。名前を呼ばれること、本当に些細なことだけど、三井君にとっては重要なことだったんですね。ハッピーエンドではなかったけど、ふたりの哀しみと喜びが入り交じった表情が良かったと思えたラストでした。

感想

ストーカーの迫りくる恐怖を描くのかと思えば、恋愛色が強めの作品だな~といった感想。ゴリゴリのサスペンス・ホラーを観たい人にはお勧めしませんが、人間の心の闇に、言いようのないやるせなさと恐怖を感じる作品であり、個人的に満足できる作品でした。端正な顔立ちの陰キャストーカーに違和感を感じますが、三井君を演じた高良健吾君は、不法侵入、盗撮盗聴、自慰、オムツと頑張っておりましたし、DV被害妻のヒロインも大学時代の溌剌さと、現在の不安定な状態を上手く演じ分けていました。脱ぎっぷりも良いのですが、あまりの被害っぷりが気の毒で、本気で辛くなりました。2人と演技力、さすがと言ったところです!

あと、ナレーションで心情を伝える手法でしたが、個人的には高評価ですね。役者さんの演技は非常にうまく、表情や仕草で十分に心情は伝わりましたが、ナレーションの声も非常に良い!2019年公開の作品ですが、まだ観たことない方にはお勧めですよ!(暴力的な描写があるので、苦手な方は止めておいてくださいね。)

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